カワサキとヤマハが水素エンジンを開発中であることを発表
カーボンニュートラルという考え方に基づき、自動車の世界では水素エンジンを用いたモデルがいくつか出始めている。
この分野で舵を取っているはトヨタであり、世界的に見ても先進的な技術とアイディアを持っている。
オーストラリアにおける水素生成のプロセスも順調に進んでおり、燃料の供給と水素ステーションの設置というインフラ整備についても、徐々に進歩が見られる。
こうしたことから、今度は自動車だけでなくバイクにも水素エンジンという技術が進んでいくことが期待されてきた。
そんな中、カワサキとヤマハが共同研究という形で、バイク用の水素エンジンの開発の検討をしているとの発表がなされた。
もともとヤマハは、水素エンジンの先駆者であるトヨタとこの分野における開発を共同で行うことを決めていた。
それを、よりバイクというジャンルに絞り込んでいくわけだ。
さらに、カワサキの母体である川崎重工は、海外からの水素輸入のために重要な役割を果たしている。
現在のところは主にオーストラリアから海路で輸送してくるわけだが、川崎重工は水素を安全に搬送するための特殊なタンクを開発、製造している。
水素は発火、爆発しやすい性質を持っているため、従来の燃料タンクでは危険が伴う。
そこで、省スペースを実現しながらも安全性を保つために、真空二重殻の構造を持つタンクを作っている。
こうした水素を貯蔵するためのノウハウと技術力は、そのままバイクや自動車の燃料タンクにも応用できるわけで、実用的な開発が進んでいくことが期待される。
ホンダ・スズキも手を組んで水素エンジンに取り組む
カワサキとヤマハと共に、ホンダとスズキも水素エンジンの分野に取り組んでいくことが発表されている。
4社での合同技術開発や、それぞれに実用的なエンジンや関連パーツの開発をすることになっていく。
このジャンルにおいては、カワサキとヤマハは一歩進んでいる状態にある。
たとえば、カワサキはモデルとして直噴エンジンタイプを公開していて、すでにある程度の開発が進んでいることが明らかになっている。
さらに、ヤマハは2016年から自動車用の水素エンジンの開発をしていて、多くのデータを蓄積している。
こうしたデータを2輪車用に応用するのは、今までのノウハウからもそれほど難しくないと考えられる。
こうしたカワサキとヤマハが持つノウハウを得て、ホンダやスズキも本格的に新たな分野における開発を効率よく進めていけるようになるわけだ。
電気自動車と共に、水素エンジンは二酸化炭素の排出量削減という分野では非常に重要な位置を占めることは間違いないので、これから大いに注目される分野となるだろう。