バイクによる事故発生の概要
自動車でもバイクでも、高速での衝突などによって大きな被害が人身、物損共に生じる傾向があります。
その中でも特にバイクによる事故は、死亡も含めた重大事故につながりやすい傾向が強く見られます。
やはり車内に人間がいる自動車事故とは違って、バイク事故は体が外に露出していて、直接車や障害物にぶつかったり、投げ出されて路面に落下したりすることが多いからです。
また、ヘルメットをしているとはいえ頭部を打つ可能性も高く、より深刻なダメージを受けるリスクが高くなるのです。
バイクの事故は他の自動車や歩行者が関係するものもありますが、圧倒的に単独での事故が多いのも特徴です。
カーブでのスリップによる転倒や、コントロールができずに転倒やガードレールや障害物にぶつかるといったケースが多いのです。
これは路面状況の変化に対応できなかったり、スピードの出し過ぎが原因だったりするものです。
バイク死亡事故の件数について
都内のバイクによる交通事故者数は、2021年の1年間で35人でした。
自動車も含めた交通事故の総数は133人ですので、全体の26パーセントをバイク事故で占めていることが分かります。
全国では、全体に占めるバイクの交通事故死者の割合は18パーセント弱となっています。
これらの数値は毎年だいたい同じで、推移しています。
バイク交通死亡事故の内訳
バイクによる交通死亡事故の中でも、さらに詳細を見ていきましょう。
どんな目的でバイクを使っていたかというデータでは、出勤時と退勤自我全体の半分以上を占めています。
出勤と退勤では出勤の方が多い傾向にあり、これは例年変わることがありません。
それだけ、朝の時間に急いで走っていることや、道路状況が混雑しがちという事情が関係しているのでしょう。
時間にゆとりを持って焦らずに走行することで、大きな事故を避けられるという教訓を得られます。
また、その他の目的では観光やツーリングが20パーセント程度となっています。
長距離の走行もあり疲労や慣れない道路での事故ということも関係しています。
月別の発生状況を見ると、7月が多くて夏以降に上昇していく傾向が見られます。
年代別に発生件数を見ると、50歳代が一番多いというデータが出てきます。
そして、30歳代と70歳代です。
若者のバイク離れが一定程度見られていましたが、最近は再び若者がバイクに乗るようになってきていますので、今後年齢別の傾向が変わることも考えられます。
死亡に至った体の損傷部位別で見ると、致命傷となったのはやはり圧倒的に頭部が多いです。
全体の5割から6割程度を占め、その後、胸部と続きます。
頭部損傷については転倒した時にヘルメットが外れていたケースが多く見られています。
それだけに、しっかりとヘルメットを正しく装着することが非常に重要であることが分かります。