中古オークションが大きな上昇を見せている
コロナ禍が収束したことによって、さまざまな市場で活気を取り戻しているが、これはバイク業界においてもはっきりと見られる傾向である。
新車市場でも、2021年にはすべてのクラスで前年比増の売り上げを達成している。
しかも15パーセントを超える増加が見られていて、半導体不足や工場稼働の問題などがあったにも関わらず非常に良い数字を出していることに注目できる。
そして、この波は中古バイク市場においても同じことが言える。
中古バイクの販売台数は右肩上がりで上昇しており、コロナ渦以前の水準にあっという間に戻った。
しかもその傾向はさらに強まっており、新車市場以上の活況を見せていると言って良いだろう。
この傾向は、特に中古バイクの平均販売価格の上昇にも見て取れる。
たとえば、2020年における平均価格は181,187円だったが、2021年には237,352円にまで上がっている。
これは実に56,165円もの上昇をたった一年で見せたことを示している。
中古バイクの売り上げが上昇した要因とは?
このように、一気に中古バイクの売り上げが上昇しているのだが、その背景にあるのはコロナの影響が大きく関係している。
コロナ禍では人と接することがない移動手段やレジャーが推奨されたため、バイクを選ぶ人が多かったのだ。
その後、制限が緩和されるに従って、バイクの魅力を再発見したライダーたちがアウトドアやツーリング目的で中古バイクを購入するケースが増えているわけだ。
もちろん、こうしたライダーは新車の購入も検討するのだが、コストを考えてまずは中古車を探すという人が多くなっている。
また、新車の場合はさまざまな事情によって人気モデルの納車が遅くなる状況も見られるため、そうであればすぐに乗り出せる中古バイクを買うという選択肢を取る人も増えているのだ。
きれいな状態をキープしている中古バイクはどんどん少なっているため、総じて中古車の平均価格が上がっているのも事実である。
昔バイクに乗っていた人が、近年になって再び往年の名機に乗りたいというケースも多くなっていて、そうなると年式が古いバイクであっても価格が高く設定されるという状況も見られる。
こうしたモデルは整備コストがそもそも高い上に稀少性が上がっているため、非常に高い価格で取引されることもあるのだ。
こうした中古バイクの価格上昇の波は、しばらく続くだろう。
全体としてバイクを購入したいという層は広がっているし、レアなモデルを求めるライダーも多いからだ。
また、どんどん中古バイクのパーツ供給が少なくなっていくため、整備コストが上昇することも考えに入れる必要があるだろう。