ヘルメットの脱落によるバイクの死亡事故が多い

バイクは転倒するリスクがある乗り物だ。
2輪であるがゆえのバランス取りの難しさ、前後ブレーキのかけ方の難しさ、悪路におけるスリップの危険といったものがあるからだ。
しかも、転倒してしまうと体を直接道路や障害物に打ち付けてしまうため、けがや最悪の場合死亡につながる可能性も高くなるのである。
そのため、バイク走行においてはヘルメット着用が義務付けられているし、ライダーも自分の身を守るために着用を徹底しているはずだ。

しかし、実際にヘルメットを着用して走行していたのにも関わらず、死亡事故に発展してしまったというケースが後を絶たない。
しかも死亡原因が胸部や腹部ではなく、頭部の強打によるものだということで、ヘルメットをしていても死亡事故につながる危険性を教えている。

といっても、正しくヘルメットを着用していれば、死亡事故にまでは発展しなかったケースが多々あると見られている。
統計でもそれが分かる。
たとえば平成29年から令和元年までのバイクによる死亡事故の統計を見ると、ヘルメットをしていた状態での死者数は110人となっているが、そのうちヘルメットが脱落していたライダーの数は44人になるのだ。

割合にして実に40パーセントとなっている。
つまり、ヘルメットをしていても、正しく着用していなかったために脱落して、それが頭部強打につながり死亡事故に至ったということである。

さらに、こうしたケースのヘルメットのタイプの違いを見ることでも裏付けが得られる。
フルフェイスタイプやジェットタイプのヘルメットだった場合、脱落割合は36、37パーセント程度だが、半キャップ型だと52パーセント弱にまで上がってしまうのである。
つまり、しっかりとホールドできない形のヘルメットだと脱落しやすい上、全体的成傾向として正しく着用できていない人も多いということになる。
正しいヘルメットを選ぶことと、正しく着用することが死亡事故を防ぐためにも欠かせないのだ。

ヘルメットの正しい脱着方法

命を守るためにも、正しいヘルメットの着用方法を知ることが求められる。
まず、自分のサイズに合ったヘルメットを選ぶ必要がある。
実際にかぶってみて、簡単に前後や上下に動くようでは余裕があり過ぎて、オーバーサイズとなっている。
この状態だと、転倒して遠心力がかかった時にヘルメットが飛ばされてしまう可能性がある。

サイズの合ったヘルメットを両手でしっかりとホールドしながら、ゆがんだ状態にならないようにまっすぐの角度でかぶる。
次に、顎の位置やシールドの位置などが曲がっていないかを確かめて、前後上下にしっかりとフィットしているかを確かめる。
その上で、顎ヒモを確実に締めることを忘れないようにする。
顎が締め付けられるような気がすると緩めるようなことはせず、ぴったりと密着するまで締めよう。