バイクによる事故発生状況
2020年の交通事故による死者数は、警視庁の発表によると全国で2,839人となっている。
交通事故による死亡件数は年々減少傾向にあり、これは全国的に見ても共通していることである。
その原因としては、やはりセーフティー機能の進歩が大きな点に上がるだろう。
自動ブレーキやエアバッグ等の乗員を保護する装備の発達により、交通事故そのものが減ると共に、事故が生じたとしても死亡などの重大な事故にまでは発展しないといった事情が考えられる。
バイクによる死亡事故の件数
全国の死亡事故の2,800件超に対して、バイクによる死亡事故は526人となっている。
これは全体のうち18.5パーセントを占めている。
明らかに自動車とバイクの保有率と比較すると、バイクによる死亡事故の割合が高いことが分かる。
また、東京都内に限定すると、全ての交通事故による死亡者数は155人で、バイクの死亡者数は40人となっている。
その割合は25.8パーセントとなっていて、全国平均よりもずっと高い数字である。
バイクによる死亡事故の内訳
バイクによる死亡事故の内容を見てみると、どうしてこうした数字が出ているかを理解しやすいだろう。
まず、事故に遭ったライダーは単独であることが多い。
そして、次に右折時による転倒が原因となって死亡事故につながっている。
事故に遭った時にバイクに乗っていた目的としては、通勤・退勤が一番多くそれぞれ17.5パーセント、合わせて全体の35パーセントを占めている。
このように、通勤利用をしている時に事故に遭い、死亡してしまうというケースが非常に多いのだ。
この事実は、事故が起こった時間帯のデータも裏付けている。
最も死亡事故が多かったのは、朝の8時ころ、夕方の6時頃とやはり出勤、退勤時に殖えているのである。
この点、東京都は自動車よりもバイクを使って通勤する人の割合が高いと見られ、それが全国平均よりもバイクによる死亡事故の割合が高いのと関係していると考えることができる。
バイクによる事故で死亡した場合、体のどの部位の損傷が多いかのデータでは、約半分が頭部となっている。
次に胸部、そして腹部と続く。このように、バイクの事故では体を強く打つことによって、より重い事故に発展してしまうのである。
そのため、もたもと転倒のリスクが高い乗り物であるという事実と合わせて考えると、ヘルメットを始めとするプロテクターの正しい着用が必須であると言える。
また、バイクは他の自動車から死角になりやすく、巻き込み被害を受けやすい上に、右折時に発見されづらいという問題もある。
実際に死亡事故発生において右折時が多いという統計も出ているので、十分注意すべきである。