ヘルメットの着用義務が始まったのは1965年。
当初は政令指定道路区間で51cc以上のバイクに対しての着用義務だったが、段階的に強化され1986年にはすべての道路でヘルメット着用が義務化された。
現在ではバイクに乗るものにとって今では当たり前になっている。
では、プロテクターがどうだろうか。
胸部プロテクターの着用率は10%にも満たない
警察庁の調査データによると胸部プロテクター着用率は令和2年時点で8.4%となっている。
年々、着用率はわずかであるが上がっているとはいえ、普及しているとはいえないだろう。
胸部プロテクターを着用しない理由については、1位は着脱が面倒、2位は値段が高いといった理由が挙がっている。
自動車と異なり、常に全身がさらされているバイクではヘルメットと同時に、プロテクターで胸部を守ることが重要だ。
バイクによる死亡事故の損傷部位が1位の頭部に次いで、2位が胸部であることを考えると、胸部へのプロテクターは必要性が理解できるのではないか。
現在では装着が簡単で、購入しやすい価格帯のプロテクターもある。
ぜひとも、プロテクターも着用していただきたい。
プロテクターの素材
プロテクターには硬い素材でできたハードタイプと、柔軟性のある素材でできたソフトタイプがある。
安全性が高いのはハードタイプだが、硬さから動きづらいのが特徴だ。胸部や背中におすすめしたい。
ソフトタイプは柔軟性が高いため、肩やひじ、ひざのような場所に利用するといいだろう。
最近ではハードタイプとソフトタイプのいいとこどりした「d3o」「XRD」といった商品も出てきている。
これらはソフトタイプのように柔軟性が高く、衝撃を受けると硬化するというものだ。
プロテクターの規格
日本にはプロテクターの安全規格がない。
しかし、EUでは工業品に対する安全基準のCE規格があり、EU内で販売されるプロテクターに関してはEN1621-1やEN1621-2といった安全基準が設けられている。
日本のメーカーでも、EUでプロテクターを販売している場合、CE規格を取得している事が多いため、目安となるだろう。
国内販売のみの場合、CE規格を取得していないケースもあるので、あくまで一つの目安としてほしい。