バイクによる死亡事故の発生状況
東京都では、2022年において発生したバイクの死亡事故人数が40人となっている。
これは前年比で5人のプラスの数字である。
自動車なども含めた交通事故の死亡者の数は132人となっているので、バイクによる死亡事故が全体の30パーセント程度となっていることが分かる。
これは、全国の統計よりも高い数字となってしまった。
全国統計において、死亡事故においてバイクが占める割合は16.7パーセントなので、東京都内のバイク死亡事故がいかに多いかが理解できるだろう。
これは都内のバイク使用率が高いことや、渋滞が発生する確率が高いといった事情も関係していると思われる。
さらに、年別の死亡事故者数の推移を見てみると、全国統計では大きな変化はここ数年起きていない。
しかし、都内における死亡者数は若干増える傾向が見られていて、特に2022年は大きな上昇となってしまった。
コロナ禍ではあまり外部への移動がされなかったという事情もあるが、ここ数年バイク利用者が増えてきているため、それに伴って重大事故も上昇する傾向が見られている。
バイク死亡事故件数の詳細について
もう少し東京都におけるバイクによる死亡事故の統計を見てみると、注意すべき点が見えてくる。
バイクをどんな目的で使用していたかで分類してみると、出勤と退勤の際の事故が2022年では37.5パーセントとなっており、過去5年間の平均でも43.6パーセントという数字を出しているのだ。
出退勤のタイミングはどうしても渋滞が発生しやすい時間帯でもあり、運転者も周りの人も注意力が散漫になりがちとなるので、事故が起こりやすいと考えられる。
その次に多いのが、ツーリングなどの遊びのためにバイクを使っていたケースで、これは全体の20パーセント弱を占める。
楽しい時間となるはずのツーリングで、死亡事故を引き起こすようなことは避けたいものだ。
無理な計画や無謀な運転は、ぜひとも控えるべきだろう。
バイク死亡事故の内訳
バイク死亡事故の発生件数を月ごとにまとめてみると、7月から秋にかけてが最も多くなる。
2022年は特に10月が死亡事故が増えていて、一年のうちで最も多い月となっている。
それに対して1月と3月は少なく、そもそも寒い冬の時季はあまりバイクで外に出ないという事情が関係しているのであろう。
夏から秋にかけてはバイクでの通勤も楽になるし、どうしても暑さのために軽装での運転が増えるため重大事故が起こりやすくなるのだ。
年代ごとの統計を見てみると過去5年間の平均では20歳代が最も多いが、2022年に限っては50歳代が最も多くなっていて、特別な年と言える。
どのような状況で事故が発生したかを見てみると、単独事故が最も多く、次に右折時、そのあとに出会い頭と続く。