ホンダは売上減に営業利益増の結果に

ホンダは2020年度の業績についての発表を行い、売上高については13兆1,705億円で前年度との比較で11.8パーセントの減少だったことを報告した。
しかし、営業利益については6,602億円で前年度対比で4.2パーセントの増加に転じたことを示している。
全体としては、新型コロナウイルス感染症の影響がいまだ強く色濃く残っていて、それが需要の減少に大きく影響したことを認めている。

実際に様々な事業部門において、生産と販売の台数と金額が落ちている。
しかし、総合的には大きなコストダウンを行ったことが功を奏して、営業利益においてはプラスをもたらしている。

具体的には、一般管理費を抑えたことや販売費を減らしたなどの事業活動の見直しをしたのが効果的だった。
より利益率が高まり売上高が減ったものの、利益については上昇するという好ましい結果になっている。
さらに、クレジット損失引当金を金融事業で計上するなどして、全体としての利益確保につなげることができた。
このように、どの事業部門においても通算での売上実績は減少しているものの、全体としては経営を堅調に保つことができている。

減少の見られたホンダのバイク事業について

ホンダは四輪よりもバイク事業の方が規模が大きく、3倍を優に超える実績を持っている。
しかし、2020年度の販売台数では、前年比で21パーセントを超える減少となってしまい、全体の足を引っ張る形となった。
対する四輪事業は5パーセント程度の減少に留まっている。

やはり、世界的にもバイクを求める消費者の購買意欲が低下してしまったというのは大きく、強いマイナス傾向を見せた。
さらに、様々な拠点におけるパーツ供給の困難や稼働率の低下などによって、生産そのものが落ち込んだというのも販売台数に悪影響をもたらしている。

ホンダの今後の展望

生産拠点の稼働率減少の要因の一つには、半導体供給不足が挙げられる。
この状況は今なお続いているが、次第に回復に向かうとみられている。
生産調整をしている現状から、通年では生産台数を正常に戻せるようにしていくことを言明している。
特に、特定の地域での生産が難しい場合、他の地域での調整を行い総合的には問題のないレベルを維持できるようにする体制を作っているのが大きい。

実際に、日本や北米ではすでに販売台数の回復傾向が見られていることから、先進国を中心に需要に応えられる状況に転じられる見通しが立ってきた。
また、コロナ渦に生まれた課題を教訓として生産体制の強化や、事業効率の促進などを行い安定した経営をしていく備えができているのも、今後の展望を明るいものとしている。