こちらでは、2019年度ホンダの二輪事業がどのように進んでいったのか数字を元に見てみようと思う。

2019年で二輪車の生産台数が4億台を突破

少なくとも二輪の販売台数で世界的に見て「首位」に立っているメーカーがホンダである。

ホンダは、2019年の12月はじめに、世界中で生産している二輪車の累計台数が4億台を達成したことを発表した。ホンダが二輪車事業に乗り出したのは1949年のことであり、ちょうど70年という節目の年に4億という大台を達成したことになる。

2019年の4月~9月の営業利益率は14%となっており、二輪事業が依然としてホンダという会社を支える柱の一つとして機能していることは間違いない。ホンダは四輪事業(自動車)にも力を入れているため、事業全体の売上を見ても、ホンダはヤマハ・スズキ・カワサキと比べても文字通り桁違いの売上高を叩き出している。

ただ、バイクの需要が高い東南アジアやアフリカではバイクの供給量が増え続けており、四輪への移行もめざましく、供給過多の道へ進みつつあることも確かだ。2020年以降、どのように二輪事業を盛り上げていくのか注目したいところである。

ホンダの二輪事業

「二輪事業」において、2019年度の実績は1,934億円とのこと。前年と比べるとマイナスではあるものの、依然としてバイク業界では大きなシェアを獲得しており、世界のバイク事業を牽引するにふさわしい飛び抜けた売上が見られる。

なお、ホンダは売上こそ大きいが、1台あたりの売上額に関しては、日本の主要メーカー(ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキ)を比較してみた場合ではもっとも低いことがわかる。一台あたりの売上がもっとも高いのはカワサキで、その後にはスズキ、ヤマハ、そして最後にホンダと続くのだ。

この数字が意味するのは、カワサキが1台あたりの金額が高い大型バイクが多く売れていることに対して、ホンダは比較的安い原付やスクーターといった125cc以下の実用性重視(ホンダがいうところの「コミューター」)な小型バイク台数が大半を占めているということだ。

ホンダが言うところの「FUNバイク」、趣味や楽しみを求めて買われる中型・大型バイクは、2008年のリーマンショックで販売台数が落ち込んだという経緯がある。しかしこれも巻き返しのフェーズに入っており、今後は更にFUNバイクの販売台数の回復を見込んでいる。