バイクの絶版車が値上がりする理由とは?

通常ほとんどの物は、製造から年数が経ち中古の状態となると価値が下がってくるものだ。
しかし、バイクにおいてはその傾向が当てはまらないものもあり、モデルによっては新車で購入するよりもはるかに高い価格で、中古車が取引されることがある。
といっても、一般の中古バイクではなく、絶版車とも言われる製造中止となった昔のバイクに限られる。
こうした絶版となったモデルは全体的に高値となることが多く、国内でも海外でも高い価値が付くことが珍しくない。

こうしたバイクの絶版車の価格が上がっていることには、いくつかの理由がある。
まず、そもそもバイクは実用のためだけのものではなく、趣味の乗り物として見る向きが強いということだ。
普通のアイテムであれば、中古で状態が悪くなると使い勝手が落ちるので、当然価値は下がる。

しかし、バイクは使い勝手の良さといったものだけに価値を見出すのではなく、ファンが魅力を感じるかということによって価値が大きく変わるのだ。
そのため、すでに製造されなくなった珍しいモデルは希少性があるとされ、ファンにはたまらないコレクションの一部となる。

もう一つの理由としては、バイクは自動車に比べると元々の生産台数が少ないということを挙げられるだろう。
自動車も一部のモデルでは、古く製造中止となっているものについてファンが付き価格が上昇する傾向がある。
しかし全体的に生産台数が多いので、古くても残っている車がそれなりあって希少性がそれほど高くならないのだ。

一方でバイクは車と比べると販売台数自体が少ないので、古いものだとなかなか良い状態で現存するものを見つけられない。
そうなるとプレミアが付いてくるのも当然と言えよう。

人気の絶版車にはどんなものがある?

それぞれのジャンルでファンがいるわけだが、絶版車の定番としてはやはりカワサキの「900 Super Four」は欠かせない。
「Z1」と呼ばれることも多いマシンで、Zシリーズの元祖としてその性能や美しいデザイン、その時代に与えたインパクトの大きさなどから、日本だけでなく海外でも大きな人気を保っている。
価格の上昇はかなりのもので、400万円から500万円という高値で取引されるのも珍しくない。

また、ホンダの「ドリーム50」も絶版車としての人気が高い。
いかにも旧型バイクというレトロ感と、シンプルな美しさは誰もが引き付けられる魅力を持っている。
50ccというコンパクトなバイクでありながら、スポーツタイプとして登場しているという個性的な特徴もファンにはたまらないところだろう。
状態によるが、70万円以上の取引価格が付くことが多く、絶版車としての人気が高いことが伺える。