新型コロナウイルスの影響もあり、消費増税も重なって、四輪車事業は後半に失速するなど大きな打撃を受けた。そんな中で二輪事業、とりわけ中古車市場はどうなっているのだろうか。2019年の中古車バイクの販売台数を元に解説していく。
2年ぶりに販売台数がマイナスに
バイクの中古車販売台数については、全国軽自動車協会連合会が毎年公開しているものを採用する。
全国軽自動車協会連合会が発表した統計資料「軽二輪車 中古車販売台数」によると、2019年1月から12月までの間で、126~250ccまでの中古車販売台数は138,707台。前年が155,120台であり、前年比マイナス10.5%となった。
メーカー別に見ると、やはり小型バイクのシェアが大きいホンダが44,658台/年とトップに躍り出ており、続いてヤマハの41,123台/年が続く。
差を大きく離しているものの3位に続くのは続くのはカワサキの26,305台/年で、その後にスズキの21,173台と続く。国内ではこの4メーカーが中古車販売で前線を突き進んでいる。
中古車よりも新車で保有するほうが多い
中古車販売台数は減少傾向にあるが、軽二輪車・小型二輪車の保有台数はどうなっているのだろうか。
軽二輪(126~250cc)は1,968,905台で、前年比プラス0.1%とわずかながら上昇。小型二輪(251cc~)も同様で、1,680,416台と伸びてきており、前年比はプラス1.4%である。
軽二輪(126~250cc)は2年連続、小型二輪(251cc~)は27年連続で保有台数を伸ばしている。
保有台数は伸びているが、バイクの場合は中古車よりも新車を購入する傾向が大きいことがわかる。中古車はバイクの状態を見抜く目が必要であり、初心者ライダーには「新車を買うに越したことはない」とアドバイスをすることが多い。このことは、新車の販売台数のほうが大きい点を見ても感じられる。
基本的に、新車が売れないと中古車市場も盛り上がらない。下取り車が減るとオークションで台数が用意できず、中古車のタマ不足に陥るからだ。
事実、2019年の四輪車市場ではタマ不足が目立った。新車でも中古車でも性能にさほど大きな違いはないと思われがちな四輪車では、新車販売が減速しやすい。ここはバイクと違うポイントかもしれない。
四輪車でも二輪車でも、消費税の増税に伴って大きな買い物を済ませようという駆け込み需要もあったが、後半は著しく落ち込むという傾向が見られた。