バイクが3密回避で見直されている

新型コロナウイルス感染症の影響は総じて悪いものだが、様々な事業やライフスタイルにおける変化をもたらしているのは明らかだ。
その一つに、バイクを利用する人の割合が増えてきたということである。
実際に、2020年におけるバイクの販売台数は14万2,000台と実に前の年と比べて14パーセントも増加しているのだ。
久しくバイクのニーズが落ち込み、バイク離れに苦しんできたバイクメーカーにとっては朗報であると言える。

この増加傾向は2年連続となり、12年ぶりに高いレベルにまで達している。
さらに、この事実は2輪運転免許の取得状況によっても裏付けられている。
普通二輪と大型二輪免許取得の人数は、前年と比較して10パーセント近い増加となったことが分かっている。

こうした今までにはないバイク人気は、明らかに新型コロナウイルス感染症の影響があると言えるだろう。
大きな一つの原因は、3密回避であろう。
通勤や通学のために満員電車やバスに乗るというのは、大きなリスクを生み出すものである。

また、レジャーに行くにしても多くの人が集まる場所で遊ぶことを避け、バイクでツーリングに行くといった感染症のリスクを避けた楽しみ方を選ぶ人も増えていると見るべきだ。
テレワークの普及などによって、電車による通勤の機会が減った人は多くいる。
その分、自宅の周りを生活圏として動くことが多くなり、その点で気軽に乗れるバイクというのは便利な選択肢であろう。
こうしたことから、通勤や通学、レジャー、買い物など生活の幅広い面でバイクを使うことのメリットが見直されているわけだ。

バイクの中でも原付二種の人気が高い

バイクと一口に言っても、その大きさによって区分があるが、特に人気が高まっているのは原付二種だ。
これは125cc未満という分類で、ファミリーバイクとも言われる50cc以下の原付よりも一つ上の区分となる。
このバイクを運転するためには、自動車の免許証を持っている人でも原付二種の免許を別に取る必要がある。
多少、乗り出しには手間がかかるわけだが、それでも人気が高まっているのには理由がある。

バイクに乗りたいと言っても、やはり250ccやそれ以上という大きなバイクだと、購入にもメンテナンスにも費用がかかる、そもそも大きなバイクに乗るのは不安という人が多い。
気軽に乗れて、しかも実用性が高いものというと原付二種がちょうど良いのだ。

これより小さい原付一種、50ccバイクだと規制が多くなる。
たとえば、時速30キロ以下での走行をしないといけないし、二段階右折などの手間もかかる。
それに、街乗りをする程度しか使えないというマシン性能上の壁もある。
その点、原付二種には走行上の規制はほぼないし、ちょっとしたツーリングにも使えるという良さがある。