新車の供給が安定するまでは価格が高い可能性大
物品の販売価格の値上がりが、様々な業界で見られていますがバイク業界でも同じで、特に中古バイクの取引価格はかなり上がっている。
たとえば人気の高い125ccクラスのバイクでは、2020年半ばには21万円の平均だったものが2021年終わりごろには25万円となっていて、2割近い上昇を見せている。
まさに高騰とも言える状況だ。
しかもこの価格上昇は緩やかにずっと続いている状況で、下がる様子はなかなか見られない。
このバイク高騰の状況は、新車の供給が本格的に回復するまで続くと見られている。
というのも、新車の供給自体が少なくなっていて、人気のモデルだと納車まで半年待ち、下手をすると年単位での待機をしないといけない状態が見られるからだ。
当然、すぐにでもバイクに乗りたい人は新車を購入するのではなく、中古バイクを求めるようになる。
理由は後に詳しく述べるが、中古バイク自体の台数も少なくなっているのに、新車購入を諦めた人がそこに入ってくることで明らかな需要過多が生じて市場が高騰しているのである。
そのため、新車供給が安定して行われるようになるまでは、この状況が続くというのは自然な考え方であろう。
バイクが高騰している理由
中古バイクの高騰、新車供給不足の理由は、明らかに新型コロナウイルス感染症の影響が大きい。
まず感染者が多い国に生産拠点を置いているメーカーは、工場の閉鎖や生産ラインの縮小などによって、稼働率が大きく下がっている。
さらに人員は確保できていても、パーツの供給が間に合わず十分な生産体制を取れないという事情もある。
このように、生産台数そのものがどのメーカーでも減っているのだ。
これに追い打ちをかけるように、半導体の供給が世界的に不足しているのも大きなマイナス要因となっている。
電子制御システムが必須となっている現代のバイクでは、半導体なしには製造ができない。
そのため、どうしても生産増加にはならないのである。
そして、それに関連して中古車オークションに流れるバイクの質と数が低下しているのも、高騰の理由となっている。
状態のあまり良くない、修理を必要とするバイクの割合が高くなり、業者もこうしたマシンに手を出さないといけない状況だ。
当然、お客様が安心して購入できるようにするには販売前に修理、整備をしなくてはならず、本体価格にプラスして修理コストも上乗せする。
こうして中古販売する時には、さらに価格が上がっているのだ。
副次的な理由ではあるが、コロナ前からバイクメーカーが販売規制をしていたという事情も関係しているだろう。
大型モデルについては販売店を限定するようになり、バイクショップでは仕入れをするために買取価格を上げざるを得ない状況が見られていた。
それにコロナの影響が加わり高騰につながったのである。